扇月のこだわり
和菓子へのこだわり
季節を感じる和菓子づくりは
素材から
和菓子の素晴らしさは季節を感じられることにあると思います。
正月、桃の節句、端午の節句、お彼岸、十五夜等、和菓子は日本の文化・四季と深い関わりがあります。
季節を表現するため、旬の素材を用いるのはもちろんのこと素材にもこだわっています。同じ素材であっても産地や入荷時期によって品質にバラツキがあるため、扇月では伝統の味を守るために和菓子の特性に合わせて最適な素材を使用しています。
素材は全て安心安全な国産材料を使用しています。
- [餅米]
- その時期に一番美味しいと思う産地の餅米を使用し、鮮度を保つために精米は仕入れ毎に行っています。
- [小豆]
- 有名な産地である北海道十勝産の中でも大粒な小豆のみを厳選して使用しています。
扇月の歴史
昭和元年(大正15年)、初代店主は菓子づくりを学んだ地である兵庫県神戸市にて扇月の前身となる「喜久屋」を開業しました。戦前である当時はものがない時代、その中で菓子屋は珍しい店舗だったようで、少しでも多くのお客様に楽しんでもらえるよう、和菓子、洋菓子、おこわ等たくさんの種類を販売していました。
その中でも赤飯は、今でこそ当たり前となっていますが、当時は貴重だった餅米のみでの赤飯づくりにこだわり、現在に至る扇月のお赤飯のつくり方の基礎を考案しました。
その後、戦争が始まり初代女将の出身地であった浅羽町(現在の袋井市)に家族で疎開し、神戸で培った和菓子の技術を生かして卸業を再開しました。やはり甘いものを販売する商いは、その地でも珍しかったようで苦しい時期を過ごしていましたが、二代目と共に何とか業を軌道に乗せ、ついに当時地域で一番のにぎわいと活気のあった磐田駅前通りに念願の和菓子店舗を構えるに至りました。これからは扇のように広がって欲しいという願いを込めて屋号を「扇月」と名付けました。
二代目店主は、初代から受け継いだ扇月のお赤飯に蒸かしの時間や水分量の調整等の試行錯誤を重ね、よりふっくらもちもち食感のお赤飯へと改良したことで、2000年に姫路で開催された全国菓子大博覧会にて橘花栄光賞を受賞しました。
また、和菓子づくりにおいても熱心に研究を重ね、当時和菓子は焼饅頭が主流であった中、つくったその日のうちに美味しさを楽しむ搗きたてのお餅を使用した豆大福を販売しはじめ、瞬く間に扇月の代表作となりました。
2015年、現在の三代目店主になってから、初代・二代目より継承したお赤飯、豆大福を大切にしながら、新たな扇月の味をつくり続けています。